第1話「私たちが選ばれし戦士!? カオスマーブルの侵略!(後編)」
私、ブラン……何よ、小麦って。まあいいわ。
ここだけの話、私はオクタリアンの諜報員。まあ、周りのインクリングからはゲソ型が変わっているだけの同種に見られているらしいから、隠すまでもないのでしょうけど。今は目標インクリングのノワールに接近し、友人として行動を共にしている。彼女は私を幼馴染だとか思っているみたいだけど、知り合ってまだ数ヶ月よ? まったく、インクリングは何処までいい加減な生物なのかしら。あの時感じた強烈なオーラは一体……兎も角、観察あるのみね。
と思っていたのに……面倒なことになったわね。
ノワールと共に通う大学を襲った謎の虹色のインク状生命体、名称は「カオスマーブル」とか言ったかしら。それを撃退することができたのは、私とノワールが「グリザイユの使者・タタキュア」の力に目覚めたから──そんなことをこの……赤く丸い謎の生き物「ケンサキ」が説明してくれたわ(そう言えばカオスマーブルとの戦闘中、私たちが身に纏っていたジャケットにも赤く丸いエンブレムがついていたような)。世界の配色がおかしくなったから、モノトーンへ戻して整える。意図としてはそんなところでしょうね。
けれど、何故私たちが? カオスマーブルとは一体何なのかしら?
自由過ぎるノワールの観察だけでもいっぱいいっぱいなのにこの仕打ち……ああ、誰か助けてちょうだい……
私「小学校の頃友達とプールに遊びに行くと、帰りに自販機で炭酸の缶ジュース買って飲み口の蓋に名札の安全ピンでちっさい穴空けて、それを指で押さえてしこたま振った後指離して勢いよく吹き出すのを口で受けて飲むっていうのが流行りましてね」